第14話 雨は何時か止む

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時雨「うん。...時間はかかるかもしれないけど、必ず扱ってみせる。 だから...僕の身体を奪うなんて事はやめて欲しい。静かに見届けてほしいんだ、僕の事を。」 時雨【深海】「......分かった。」 サァァァ... すると、雨が止んで雲の間から光が差し込み始めた。 時雨「...雨が......」 時雨【深海】「...君の決意に免じて、大人しくしているよ。 でも、もしその決意を捨てる様なら...無理矢理にでも身体を奪うからね?」 『獣』...いや、もう一人の『時雨()』はそう言って微笑んだ。 差し込む光がそれを照らす。 時雨「分かってるよ......ありがとう、もう一人の『僕』......頑張るから。」 僕もそう言って微笑み返した。 ...カッ...! 瞬間、僕の視界が光に包まれた...... ~影政side~ 時雨「ガルルルル...!!」グググ... 影政【黒鬼】「...っ......!」グググ... 時雨は蒼白い眼光を光らせ、歯をギリギリと軋ませながら刀を押し下げようとしている。 俺は刀の峰で小刀を抑えていたが、力負けで少しずつ右肩に刃が近付いていた。 時雨「ガルル...!」ググ... 影政【黒鬼】「...っぐぉ...!!」 それを見たのか、時雨が更に力を入れて遂に刀の刃が右肩に食い込んだ。雨で薄まった血が白い制服を染めていく。 影政【黒鬼】(......こうなったら......!)ググ... 影政【黒鬼・改】「...うおぉぉぉ!!!」ガギィ!...ドゴォ! 時雨「ガァッ!?」ドサッ... 俺は【黒鬼・改】に引き上げて力負けせに時雨の小刀を押し上げ、蹴り飛ばした。
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