第14話 雨は何時か止む

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影政【黒鬼・改】「...っ......沁みるな...」 俺は右肩の傷を横目に見ながら呟いた。 雨が傷を打つ度にチクリと疼く。 時雨「......っ...」ググ... 蹴り飛ばされた時雨はゆっくりと立ち上がる。...ん?ゆっくりと...? 影政【黒鬼・改】(蹴りが堪えたか...?本物の獣の様に吠えもしない......まさか...いや、それは無いな。あの時雨が負ける筈は無い...) 時雨の様子に俺は警戒する。 時雨「.........」スッ... 時雨は顔を上げ、小刀を構えた。俺を見据える眼から迸る眼光が消えていた。 影政【黒鬼・改】「......時雨...?」 時雨「......提督。」 影政【黒鬼・改】「っ!?時雨...!」 時雨は唸り声では無く、しっかりした言葉を返した。俺はそれで察した。 時雨「......『獣』は僕の決意を受け入れてくれた。...だから改めて言うね? ......僕はこの力で...提督、姉さん、村雨、夕立、矢矧さん...泊地の皆を守る...これが僕が戦う...」 時雨はそこで言葉を切り、目を閉じる。 時雨【深海・戦】「......この【深海】の力を使う理由だ!!」 フォォン...! 目を開き、そう言い放った時雨の身体からFlag shipクラスの『深海棲艦』が放つものと似たオーラが溢れ出た......
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