第14話 雨は何時か止む

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━━━━━ 翌日 一〇二二 執務室 ~瑞鶴side~ 影政「...ヘェックシ!!」 瑞鶴「...提督さん、風邪?」 提督さんの盛大なクシャミに私は尋ねる。 影政「ズズッ...そうみたいだな......昨日大分雨で濡らしたからな...それが祟ったか...ヘェックシ!!」 瑞鶴「...はぁ...自業自得ね。」 私はそう言って溜息をついた。 影政「...返す言葉もございません......ブヘェックシュン!!」 提督さんは苦笑いしながら更に盛大なクシャミを繰り出した...... ━━━━━ 同刻 艦娘寮 白露型の部屋 ~白露side~ <ピピッ!ピピッ! 体温計のアラームが鳴る。 時雨「...ゲホッ...」 村雨「...37.7℃......」 夕立「ガッツリ風邪っぽい!」 白露「...昨日の雨ね......提督も時雨も思いっ切り被ってたし、当然ね。」 私は顔を火照らせて布団に横になっている時雨を見てそう言った。 時雨「......ゲホッゲホッ...」 白露「これじゃあ、演習はお休みね。」 時雨「......ゲホッ...そ、そんな...!」 そう言うと、時雨の目に絶望の色が宿る。...時雨は転属以降一日たりとも演習を休んでいない皆勤。時雨にとっては欠かせないものだ。でも... 白露「駄目なものは駄目よ。...今日は私が側で看てるから、『昨日』みたいな抜け出しはさせないわよ。」 私は敢えて『昨日』を強調して言った。 時雨「...っ...ゲホッ...」 時雨は言葉を詰まらせ、観念したのか目を閉じて布団を被った。
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