プロローグ 新造拠点、『トラック諸島泊地』へ

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〇三〇〇 横須賀第一鎮守府 第一埠頭 ザァァ...ザァァ... 波の音が月明かりに薄らと照らされた埠頭に満ちる。 埠頭には一隻の汎用武装挺......『四〇《ヨンマル》式甲二型霊力武装挺』━━━通称『波斬(ナミキリ)』型武装挺が停泊している。 人類の敵である『深海棲艦』の攻撃に耐えられる『艦娘』達を指揮する前線指揮所としての用途の他、駆逐艦程度ではあるが対『深海棲艦』用武装も備えている。 未だに謎が解けない特殊機関、『霊力機関』搭載により高い航続性能を持つ為、長距離の少人数、物資の輸送にも使われている挺である。 その側に...... ??「まだかしら......もうちょっとで抜錨よ?」 ??②「『瑞鶴』さん、まだ大丈夫ですよ。...でも、確かに遅いですね。」 ??③「お、お迎えに行った方が......」ハワワ ??④「...あ!来たみたいですよ!」 四人の少女が居たが、その内の一人...『第一六駆逐隊』の鉢巻きを巻いたミニスカの少女━━━『秋月』型駆逐艦一番艦『秋月』が埠頭の入口を指差した。 他の三人がその指差す先を見ると... ??⑤「いやぁ~、すまんのぉ。向こうの鎮守府の秘書艦と連絡がつかなくっての。理由を聞いてみたら居眠りしとったそうじゃ。」 ??⑥「夜明け前まで寝ずに起きているのは駆逐艦の娘にとっては結構辛い事ですよ、総督......」 総督「う~む......昼の内に仮眠とっておけと言っておいたんだがの~...」 ??⑦「瑞鶴さん、鳥海さん、電ちゃん、秋月さん。遅れてごめんなさいね?」 二人の提督の制帽と制服を身に着けた老人と若い男、そして『連合艦隊』総司令部秘書艦『大淀』が四人の所にやって来た。 鳥海「あ、いえ。大丈夫ですよ。」 眼鏡と電探を模した髪飾りを身に着けた青い袖無のセーラー服と白いミニスカを身に着けた『高雄』型重巡洋艦四番艦『鳥海』が愛想良く笑いながら言った。
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