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月夜
君はこうやって
何度も訪れる夜を越えて
その声を飲み込んだまま
闇を切り裂いて歩んできたんだろう
なんて 美しい
あの下弦の月に似ている
光るのに、遠く、
笑うのに、泣いている
首筋にかかる吐息に気付いている
それでも君は遠い
触れた身体に込めた愛でさえ
映る笑顔の奥の暗い闇に、沈む
何度離れようと決めても
また君はふらりと現れて
熱を帯びた夜を重ねるのでしょう
そうして繰り返すその夜を僕は
また忘れることができないのでしょう
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