第1章

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「昨日、ホテルにチェックインした時にフロントで着けてもらったブレスレットのボタンのロックを解除した。ボタンを押してくれ。」 うわぁ~と感嘆が溢れる。何も知らないとは恐ろしい事だ。呑気に光に感動している。ボタンを押すことでブレスレットが発光する仕掛けだ。暗さの中に鮮やかな緑の蛍光が手首を彩る。所々で手を振り回し光の尾を楽しんでいる。だが、光を楽しむ為に着けたのではない。そのブレスには数字が浮かび上がっていた。 「その数字が諸君の識別番号だ。ここからは名前も要らない。 では、このゲームのルールを説明しよう。難しい事はない。あのスクリーンを見て選択していくだけだ。途中棄権は許されない。ゲーム中、各自パネルの上に立つが、パネルの交換は自由だ。最後まで残った者が勝者となる。勝者には、飛びっきりのプレゼントが待っている。生き残れるのは一人だけ。では、ゲームの開始だ。」 「ちょっと待って。どういう事?じゃあ…最後まで残った者以外は…死ぬって事…?」 ひとりが言った言葉がここにいる全員を恐怖に落としていく。口々に怒声が蔓延る。 「こんなのゲームじゃねぇ!」 「死ぬの確定って、おかしいだろ!」 「とんだデスゲームだよ!」 「こんなの死ぬ順番待ちしてるようなものよ!」 「ふざけんな!やってられねぇ!帰るよ!」
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