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高校入試
ココとニコは、母親と高校の説明会に参加します。団地の中の暗黙の了解で、5教科の勉強をあまりしてはいけない仕組みに組み込まれていたので、とても進学校へ入れるような成績ではありません。ここで、初めて人生の壁に突き当たりました。母親がボスママよりも三歩後ろにいる事はまだ知りません。家族ぐるみとはいえ、これが自分の実力です。身の程を弁えて、自分が出した偏差値に応じた学校へ行くしかありません。
二人が行ったのは工業高校です。そこでは、建築・機械・電気など実践的な技術を習得するのを目的としています。肉体的労働ではなく、しかも絵や書で身につけた技術が生かせるということで、担任の先生から薦められたのです。
その学校で説明を受けた後、一通り校内を見て回りました。3K労働者養成所のイメージが強い学校で、この二人には目を惹くクラスがあって、その教室の中を見てから母親と一緒に帰宅しました。その晩は、さっき見てきた学校の話で盛り上がってます。晩ごはんを食べ終わると、その学校へ願書を書きました。翌日、願書を担任の先生に提出した二人は、その学校へのイメージを膨らませます。もう既に部活を引退しているので、受験に集中するようになりました。
あまり偏差値が高くないとはいえ、それでも年に一回の一発勝負です。とにかく担任の先生から教わった通りに実行しました。この二人は推薦入試ですから、一般受験よりも先に結果が出てきます。作文と面接だけですが、面接官に良い印象を受けるように放課後の教室で何度も担任の先生を面接官に見立てて練習します。
いよいよ、試験日が来ました。これまでの練習通りに実行して帰宅しました。その晩は、いつもよりも豪華な晩ごはんの準備をした母親の手料理を食べて寝ました。
後日、合格通知が中学校に届きます。二人は一足先にその学校へのパスポートを手に入れました。一般受験をする他の生徒を脇目に涼しい顔をしています。
そのうちに卒業式が行われました。後輩たちからの祝福を受けた二人は満足気に帰宅します。その後、進学の準備を整えます。狭い部屋の中にあるこれまでの備品を団地内のゴミステーションに廃棄して心機一転を図ります。
入学式の日が来ると、二人は母親と一緒に出席します。ここでも同じクラスに編成された二人は、高校生活のスタートを切るのでした。
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