書道教室の中

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時折行われる検定試験に合格することばかり考えます。おしゃべりスズメとレベル差の開きが出て、あからさまな妬みを向けられても、自分の猛烈ママをバックに気丈に振る舞います。 ココとニコの両家は、それぞれの子供と自分たちの部屋で昼食を食べる習慣があります。学校では給食を食べる二人ですが、土日・祝日になると母親を入れて三人で食べるのは当たり前です。相手の子供を我が子の兄弟のように扱う事で、一人っ子の弊害を補うのです。三人で食べた時の状況は、子供たちから一人で食べた母親の耳に入ります。こうやって、食費・光熱費と情報を折半しながら、子育てしています。ココとニコは、そんな大人の事情を知らないまま、母親たちがお膳立てした時間を楽しいと感じながら過ごしているのです。 この団地に住む子供たちは全てココたちと同じ年とは限りません。大学生も高校生もいます。赤ちゃんや幼稚園児も浪人生もいるのです。大声出してみたい年頃ばかりではない団地では一つ守らなければならない決まりがあります。 「大声を張り上げたいなら、学校や河原、山など大きな音を出してもいい所へ行くこと」 二人はそれを学校のグランドで実行してるから、団地では喉が枯れていて自然に決まりを守っているのでした。団地だろうと一軒家だろうと、住宅が密集すると騒音が発生しないように暮らさなければならないものです。
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