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新米美術部員
ココとニコは、小学校を卒業しました。この二人は母親と一緒に制服を注文したり、学用品を買い揃えたりと忙しい春休みを送っています。学びに行くのは書道教室ぐらいで、後は何も勉強する事がありません。学習塾に通う子は継続して学びに行きます。しかし、この狭い世界ではココとニコがエリートコースを歩むように設定されていません。ボスママの圧力で、二人の生涯年収を抑えられてしまっています。まだこの事に気付かない二人は、ただ親の言う事を聞いているしかないのです。
それはともかく、入学式の日を迎えました。母親たちが父兄席から空席の新入生の席を見ています。時間が来て、新入生たちが列をなして入場します。新入生が席につくと、式典が行われました。校長先生の挨拶が長々と行われます。その後、新入生代表挨拶が行われました。式典が終わると生徒たちは教室に入ります。父兄の方々は、別の教室で説明会に参加します。それが終わると、子供がいる教室へ向かいます。ホームルームが終わると、新入生たちは母親と一緒に帰宅します。
ココとニコは同じクラスになりました。家も学校も書道教室も同じなので、お互いの事は透け透けに見えます。今日はお祝いだとそれぞれの部屋でホームパーティをしました。明日から、授業を受けるのです。その晩は思い切り食べてゆっくりと寝ました。
次の日、朝食を済ませると二人で登校しました。この学校には書道部がありません。その代わり美術部があります。どの部に参加しようと二人で考えました。授業が終わると、とりあえず帰宅して書道教室へ向かいました。
レッスンが終わり、先生とどの部に参加すればいいか相談しました。先生が、「それなら、美術部へ入ったらどうか?」と提案しました。「パフォーマンス部門に出場する事があり得るから、その色彩の勉強にちょうどいい」とアドバイスしました。なるほどと思った二人は、お礼を言うと帰宅しました。その事を母親に報告すると、「それはいいね!」と納得します。
次の日、ホームルームで先生から様式が配られました。加入したい部活動を記入するように空白が設けられています。
二人は、その空白欄に美術部と記入ます。そして、その様式が回収されました。こうして、この二人は、美術部員として学校内のイベントに参加することになりました。
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