アンダルシア魔道原則

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7 この世界には、「反《アンチ》魔法素(マナ)」と呼ばれる、魔法素よりも大きい、意思を持たないエネルギー粒子がややまばらに飛び交っている。反魔法素には魔法素でつくられた術式そのものを破壊し、ときにはその術者にさえ影響をもたらすことがある。 8 反魔法素は凡人はおろか通常の魔導士でさえ操れないが、操れる者もいるにはいる。彼らは「破術師」と呼ばれ、その存在は非常に貴重である。反魔法素を使えば、呪いの類はもちろん、攻撃魔法や補助・妨害、離脱・移動魔法、発動前の、まだ魔法素を組んだだけで破壊していない魔法すら壊せる。  しかし「破術師」は破術にのみ特化しており、魔法は一切使えない。 9 この世界には、「原初《オリジン》魔法素(マナ)」と呼ばれる、魔法素と反魔法素の中間ぐらいの大きさの魔法素が存在する。それは、何の属性にも染まっていない魔法素のことで、「属性による事象(発火、突風、落雷など)」が起こせない代わりに、集まることで力を成す。  要は、目に見えぬ拳で殴ったり、目に見えぬ壁で攻撃を受け止めたり、などということが可能。ただし、どれも通常の魔法素に比べると威力が劣るが、その術式は決して破術では破壊できない点が特徴。 10 「原初魔法素」使いは「無属性魔導士」と呼ばれる。属性の一切こもっていない「力の球」などで攻撃をされると対処が難しいため、割と応用範囲は広い。「破術師」ほど稀少ではないが、これを使える者は少ない。無属性魔法は破術での打ち消しができないが、消費魔力が多めの上に、属性魔法よりも威力が劣るので何とも言えない。  結論;三つの魔法素は、どっちもどっちの能力である。 11 ちなみに。あまりいないが、中には「全属性使える」魔導士もいる。しかし、その代わり、万能であるがゆえにすべてを完全にはマスターできない。 12 特珠職業「魔素使(まそし)」は、魔法素を武器や盾として実体化させて戦うが、それに使われる魔法素は原初魔法素である。要は、無属性魔導士の派生職。魔素使は破術師並みに人数が少ない。  実体化させた武器や盾は、本人の意思によって、あるいは本人の意識の消滅によって消えてしまう。
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