untrue

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【a rainy holiday】 気怠い土曜の昼下がり 色とりどりの傘を叩く 雨垂れの音 雨に烟る街の中 急ぎ足の人々を横目に お気に入りの傘を差しながら 憂鬱な雨の中 緩やかに歩みを進める私 何もかもが忙し過ぎて時々嫌になる 仕事も恋も夢もスマホでさえ もっともっとと私を急かすだけ 日毎に削られていく心のキャパを 埋めたいと藻掻けば藻掻くだけ 忙しいリアルに絡め取られるだけ それが世の常だと知っている それに疲れたと言っている ついつい頑張り過ぎちゃう自分に向けて 今日は貴重なオフなのだからと 仕事は致しません 恋人は放置して 夢とかも今は忘れて スマホの電源もオフにして 何かも一先ず置いといて 憂鬱な土曜の昼下がりの街で 温かい紅茶とシフォンケーキを楽しみながら 削り取られた心のキャパを埋めていこう
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