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「……それで? 次は『カクヨ村』だったっけ?」
王都を発って以来、何度目かに上る八つ当たりをユウキへとぶつけ終えたエリスは、話を切り替えてそうユウキに話し掛けた。
「そうだね。……ほら、見えてきた! あれじゃないかな?」
話を振られたユウキは、先程までの理不尽な文句を気にした様子もなく、遥か遠くに見えてきた村影を、右手を額に翳し目を眇めてそう答えた。彼の言った通り、彼女達が進む道の先には、村の様にも見える黒い影がなんとか見えていた。
「でも……不思議な話よね……。何で臨月を迎えた妊婦さんが、集団でいなくなるのかしら……? やっぱり本当に、魔属が絡んでるのかな?」
そこでエリスは、彼女が任務へと就くに至った、根本的な事件について口にした。
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