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「恋人」
僕には大切な恋人がいる。まだ出会ってから半年と経っていないけれど、本当に大切に思っているのだ。
輝くような笑顔や、優しい金色の瞳、エメラルド色になびく髪は当然として、その純白に近い肌を流れる汗の一粒すらも愛しく思われてやまないというのに、彼女は夜ごと、僕の耳元で、ひどく甘美な声で繰り返し愛を語るのだから、この上なく大切なものに思わないほうが無理な話だ。
大切にしてよ? もっと、もっと、ずっと、ずっと、守ってね。わたしも、ずっと、ずっとあなたと一緒にいたいから。
そう言って、彼女は、何度も何度も、僕を掻き抱く。そうして、僕らは夜ごと、一つに溶け合ってしまったかのようなひどく甘美な眠りへと落ち込んでいくのだ。
彼女と昼間に話すことはできないけれど、変わらず美しく愛しい姿を僕に見せつづけてくれている。僕と彼女はいつでも一緒。
これまでも、これからも、ずっと、ずっと……
永遠に……
* * *
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