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少女は、急に涙が溢れてきて、その場につっぷして泣き出してしましました。
彼女は泣きながら、その日お母さんと言い争った事を話しました。
彼はまたいつものように、ただ少女の話を黙って聞いていました。
そして少女は疲れてしまったのでしょうか、それとも安心してしまったのでしょうか、そのまま眠ってしまいました。
気が付くと、女の子はベットに寝かされていました。
ここは、どうやら彼の寝室のようでした。
泣いたからでしょうか、少し痛む頭を振り、ゆっくりと起きあがると少女は部屋を見回しました。
すると、ふっとサイドボードの上の写真立てが目に入りました。
これは……?
少女は、そっとその写真を手にしました。
そこには、緩やかなウェーヴを描く髪にぱっちりとした目が印象的な綺麗な女の人が微笑んでいました。
これは、誰?
少女は少し怪訝に思いながら、その写真を見つめていましたが、彼を探す為寝室を後にしました。
ゆっくりと、廊下を進んでいきます。
少女は今までリビングより奥に来たことがなかったので、まるで知らない家にでも連れてこられたような錯覚さえ覚えました。
急に不安になって、必死で彼を探しました。
長い廊下をあてもなく進むと、微かに声がした気がしました。
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