4.手紙

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時間は等しく過ぎる。 猛に与えられた3日は、この人生の中で一番濃厚なる日々だったかもしれない。いろんな事を思い出し、考え、それももう終わりだと気づき・・・ 夢で母親の姿も見たのだった・・・。 夢の中で見た母は猛に微笑みかけていた。 それは忘れていた小さな記憶・・小学校に入学したばかりの時に母がお祝いとしてレストランに連れて行ってくれた記憶だった。 どんなものを食べ、外にはどんな景色が広がっていて、何より母がどんな顔で微笑んでいたのか・・夢の中で鮮明に映し出されていた。 今更母を赦すことはできない。 それでも少し心の中にあった母への想いは・・本当に少しだけ上書きされた気分だった。 「失礼します。」 医師とスタッフが再び部屋に入ってくる。 「気持ちは変わりません・・。明日、お願いします。」 医師が確認するよりも先に猛は返事をする。 「わかりました・・では、明日の朝、お迎えにあがります。」 「ありがとうございます・・あ、あと1つお願いが・・」 「何でしょうか?」 「この手紙を日本に出しておいてほしいんですが・・。」 そう言って、時間をかけて書いた手紙をスタッフに手渡した。
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