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家族になろうよ
「私なんて誰にも必要とされていないの」
それは彼女の口癖だった。
どれだけ僕が彼女に愛していると伝えても、彼女は寂しそうに微笑むだけ。
だから僕は、君が次にその言葉を口にした時、こう告げようと決めていたんだ。
「結婚しよう」
僕の言葉に、君は驚いた表情を見せた。
「どうし、て……」
「ダメかな? 君と家族になりたいんだ」
「家族……」
その言葉に、君は表情を曇らせた。
僕は知っている。君がその言葉を何よりも焦がれ、そして憎んでいることを。
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