はるかぜ

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今までの教員は比較的に優しく、テストが60点を超えていればそれなりの評価がついていた。 日野の言葉を聞いて後ろで喋っていたやつらは早々に荷物をまとめて教室から出て行く。 当たり前だ。なんせ今は履修登録期間中。初回の講義を受けて履修をするか決めるときなのである。 そんなときにこんな鬼畜なことを言われては、講義中喋りに来ているような人たちは出ていって当然だろう。 ただでさえ新任で試験などの情報が少なく、お試し程度で来ていた学生たちはこれはダメだと教室を出ていった。 そうして10分も経ってしまえば初めは150人ほどいた学生たちはもう20人弱となっていた。 「もう出て行く人はいませんか?」 日野は辺りを見渡し、座ったままの学生たちを確認すると微笑んだ。 「では、講義に入りましょう。」 講義はいたって普通だった。何事もなく1時間ほど過ぎていき、 「今日は初回ですので早めに終わっておきましょう。ではまた次回。」 という日野の言葉で講義は終わった。 大学が終わればあとは何をしようが人の勝手。俺はバイト先へ向かう。 .
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