罵倒

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罵倒

「馬っ鹿じゃないの!?恥ずかしい!」  家に帰り、夕飯の時に3つ下の妹の京子から出てきた台詞がそれである。  3つ下と言う事は、今は中学3年…来春に県下一の進学校への受験を予定している。  親父・お袋・俺と(特に俺か?)…出来の悪い3人を見てきたからか…京子だけは勉強の虫と言える程、成績は良かった。  チビだし、おっぱいは小さいクセに、誰に似たのかやたらと気が強い。 「みっともない!せめて一般常識くらい身に付けてよね!」  と…尊敬すべき兄に対し、【勉強】の一点だけで捲し立ててくる。 「ハスラーに数学なんて必要無ぇんだよ!」  既に、村川先生からの課題は確保済みだ。  クラスの友人に、全く同じ課題が出た奴がいた為、そいつのノートを借りている。  後日、ノートの名前だけ書き換えて提出しようと思う。  なので、ムキになって言い返したのだが… 「数学だけじゃ無いでしょ!赤点ばっかりじゃない!」  人の鞄を勝手に漁り、返された答案用紙の山を目の前に、俺を罵り続ける京子。 「ばっかりじゃねぇわ!国語と情報処理は赤点じゃねえだろが!」 「たった2教科じゃない!変わんないわよ馬鹿!低能!」
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