罵倒

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 低能とか…酷い妹だった。 「こんなんで、本当に卒業出来んの!?」  こたつに座ったまま聞いている俺に、正面から身を乗り出してお説教を続行する。 「ふ♪既に、他の先生方も諦めてる♪」  そう言う俺に、頭を抱えて見せる。 「最低…こんなのが兄とか…恥ずかしい。」 「こんなのって何だ!?」 「こんなのはこんなのよ!馬鹿!低能!赤点大王!恥ずかしいから、表じゃあんまり喋らないでよね!」  言い返す俺を真っ直ぐ指差し、そう言ってくる。 「本っ当、最悪。早く誰か薬開発してくれないかな…馬鹿に付ける薬。」  言って京子は立ち上がり、寝室に入って行ってしまった。  兄に向かって恥ずかしいとか…本当に口の悪い奴であった。  兄として、目上の存在への礼儀を叩きこんでやらねばなるまい。  とは言え、まさか妹相手に暴力を振るう訳にも行かない。  時々、兄妹喧嘩はするのだが、こちらが本気を出せないのに、奴は本気で引っ掻いたり噛み付いたりしてくる。  怪我はしたくない…痛い思いをするのは嫌だし…と、こたつに顎を乗せ一計を案じた。 (…にゃろう…どうしてくれようか…)と…
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