3. 好きだからこそ…

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哲哉さんに守られるように、肩を抱かれながら放送室を出ると、目の前には、藍が立っていた。 「ぁっ!…ぁ…あ…お」 顔を見たら、急に恥ずかしさが湧いてきて… 放送で、何を喋ったのか、慌てて思い返してみたり、おかしな所は無いか、服装を気にしてみたり、かなりの挙動不審っぷりだ。 「…愛」 そんなオレを丸ごと包み込んでくれる藍の瞳。 しょうが無いなと語っているようで… 「頑張ったな」 と、オレの頭をポンポンしてくれた。 良かった…怒ってない。しかも、誉めてくれた。 「で? アンタは?」 今だに、オレの肩にかけてた哲哉さんの手首を掴みながら…ぅ……睨んでます。 やっぱ、怒ってたんじゃ…? 「ぁ…この方は、警視庁警備部にお勤めの、須藤哲哉さんで、一条さんのお友達なんです」 「ふーん。龍児さんの。…じゃ…いっか」 え?何が?何がいいの? ていうか、名前呼び? 藍は、哲哉さんの腕を払うと、哲哉さんがしていたように、オレの肩を抱いた。 「哲哉さん、すみません」 「いいって、いいって。これぐらいじゃなきゃ、愛ちゃんの彼は、務まらないからね」 「何、お前ら名前で呼び合ってんの?」 「…藍!」 「それじゃ…僕は、これで」 「あ…大河内さん…。今日は、ありがとうございました」 オレ達の後から出てきた大河内さんは、軽く会釈をしながら、前を通り過ぎて行った。 「何だ? アイツ」 「サイトの事務局の人だよ」 「ふーん」 「あ…藍?」 藍は、肩を抱いていた腕でオレを引き寄せ、抱き締め、オレの髪に顔を埋めた。 「心配なんだよ。抱かせろよ」 「で、でも…ここ、学校…」 どうした、どうした藍? でも…どこか嬉しくて… 顔が隠れている事をいい事に、されるがままになっていたら、 「お前ら何やってる?」 ひゃぁ…先生ですか?
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