3. 好きだからこそ…

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「その…安堂さんの真意は、わかりませんが、私も、同じ意見です」 「ぇ…?」 「愛さんは、知らなくてもいい事だと思うし、僕も、教えたくない」 「ぇ…それは…いろいろと…問題が…ある…から?」 と、哲哉さんの背中を見遣りながら、質問をぶつけた。 「そうじゃありません」 ひとつ息をはいて、オレの手を握り直すように優しく包んでから、言葉を続けた。 「あなたと僕は、同性だし大人だから、そういう問題は、無いと思う。 ただ、その事を知ってしまうと、あなたが汚れてしまいそうで…」 「オレなんて、とっくに汚れて_」 「汚れてない!」 「…ぇ…?」 オレの手を包み込んでた手で、今度は、頬を包んでくれた。 「あなたは、全く汚れてなんか無い! 寧ろ愛さんといると、僕の心の汚れまで清められます。」 「大河内…さん…。オレ…」 何も知らないままでいいのかな…? 不安でいっぱいのオレに、大河内さんは、オレの頭をクシャクシャっとして、 「愛さんは、何も悪くありません」 と、とびきりの笑顔をくれた。 今は…その笑顔に甘えていたい…。 「んじゃ、帰るぞ」 こっちに振り向いた哲哉さんが、何事も無かったように、仕切りなおしてくれた。 「オレには何も聞こえてこなかったけど、オマエも、そうだろ?」 と、加藤さんに、肩を組みながら同意を求めると、 「もちろんです」 と、笑顔で応えてくれた。 オレは、沢山の人に支えられてる。
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