455人が本棚に入れています
本棚に追加
先生らしき人の声が聞こえてなかったのか、藍はオレの事をいっこうに離そうとしない。
「ね…藍…?」
藍との間に腕を入れて、離れようとしたけど、びくともしない。
本当にどうした?藍…。
「オイ、お前ら離れろ」
ひやぁぁ、やっぱまずいでしょ、藍?
「す、すみません…」
オレが必死にもがいていると、
「野暮な事言うなよ、宮内」
ぁ…哲哉さんだ…て事は、校門で会った先生かな?
「愛ちゃん、気にしないで続けてて良いからね」
続けて_て…、
「テツ、お前な…」
「宮内…相変わらず、頭堅いね」
頭を胸に押し付けられてるため、全然状況が、把握出来ない。
頭だけで、胸にグリグリともがいていると
「マジで抱きたくなるから、それ止めろ」
頭を押さえていた手を離してくれたので、藍を見上げると、さっきまでとはうってかわって、切なそうな…今にも泣き出しそうな顔をしていた。
そんな表情にのまれていると、藍が口を開いた。
「…愛は、平気なのかよ」
「…え?」
「先週の金曜日から、愛に触れてない。おかしくなりそうだった」
「ぁ…」
ぅ…ズルい…。
そんな…甘えたの瞳で、見つめられたら…
オレだって…もたない…。
最初のコメントを投稿しよう!