3. 好きだからこそ…

36/37
前へ
/103ページ
次へ
先生らしき人の声が聞こえてなかったのか、藍はオレの事をいっこうに離そうとしない。 「ね…藍…?」 藍との間に腕を入れて、離れようとしたけど、びくともしない。 本当にどうした?藍…。 「オイ、お前ら離れろ」 ひやぁぁ、やっぱまずいでしょ、藍? 「す、すみません…」 オレが必死にもがいていると、 「野暮な事言うなよ、宮内」 ぁ…哲哉さんだ…て事は、校門で会った先生かな? 「愛ちゃん、気にしないで続けてて良いからね」 続けて_て…、 「テツ、お前な…」 「宮内…相変わらず、頭堅いね」 頭を胸に押し付けられてるため、全然状況が、把握出来ない。 頭だけで、胸にグリグリともがいていると 「マジで抱きたくなるから、それ止めろ」 頭を押さえていた手を離してくれたので、藍を見上げると、さっきまでとはうってかわって、切なそうな…今にも泣き出しそうな顔をしていた。 そんな表情にのまれていると、藍が口を開いた。 「…愛は、平気なのかよ」 「…え?」 「先週の金曜日から、愛に触れてない。おかしくなりそうだった」 「ぁ…」 ぅ…ズルい…。 そんな…甘えたの瞳で、見つめられたら… オレだって…もたない…。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

455人が本棚に入れています
本棚に追加