3. 好きだからこそ…

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「オレも…」て、言いかけた時、藍が一歩早かった。 「さっきはオレ……、頑張ったなって言ったけど…ホントは、嫌だった。 お前が、オレの腕の中から、どっかに行っちまいそうで…」 「…藍? オレ…どこにも行かないよ?」 オレは、今日、 藍の傍に居られなくてもいい、 藍に対するみんなの誤解を解きたい そう思って、ここに来た。 でも…でも、それは違った。 「これからも、ずっと傍に居たいから頑張ったんだ」 「…愛」 ほんのり紅い目許と濡れた瞳、艶のある唇が近づいてきて… ああ…このまま、奪われちゃってもいいかな?なんて… ウォホンッ! 誰かの咳払いが… 「テツ。今のは邪魔して良かったよな?」 「そうだね。ここには、ベッドも無いしね」 危ない…流されるところだった。 「名残惜しいかもしれないけど、そろそろ…」 哲哉さんが、申し訳無さそうに呟いた。 そうだよね。お昼休みも、そろそろ終わるだろうし…。 そう思って、藍を見上げると、藍も、ようやく身体を離してくれた。 「愛?」 「ん?」 藍は、オレの指に指を絡めてきた。 離れたくないとでも言うように。 「今晩、電話する。大事な話があるから」 「ぁ…オレも! 話したい事、いっぱいある…!」 藍は、クスッと笑うと「そうだね」と、呟いた。 そこへ終わりを告げる予鈴が_。 「ぁ…あの…これだけ…」 藍は、優しく小首を傾げて、オレが話しやすいように待ってくれてる。 「黒髪も素敵だったけど…やっぱり、その髪と瞳が好き。オレの天使みたい」 「なっ…!」 ボンッと音がするんじゃないか?と思うくらい、一瞬で顔が赤くなった藍。 「ぉ…女でも口説いてんのかよ。馬鹿言って無いで、早く帰れよ」 「ぅ…うん…」 うーん。藍の赤くなるポイントが、いまだにわからない。 好きだなんて言えない 3 end
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