1.過去の代償

5/32
前へ
/103ページ
次へ
オレの父親は、ホテル経営や不動産業を 手掛けている如月グループの社長ていうか、CEOだ。 一条さんは、そんな父親の第一秘書。 まだ若くて、確か28…だったかな? 元ヤンていう噂だけど…本当かどうかは、確かめた事は無い。    そんな家族の事…藍に話したことは無かった…。 藍は、話してくれたのに…。 そう言えば…訊かれたことも無かったな。 気にならないのだろうか? でも…積極的に訊いてくる、藍が想像出来ない。 「…何?」 「ぇ…?ぁ…ああ、ごめんなさい。何でもないです」 「ふぅん」   どうやらさっきから、目の前で朝ご飯を食べてる藍を凝視してたみたいで… 「藍?…今日のデートなんだけど…」 「少しぐらい遅くなってもいいぜ。…オレも、事務所に呼び出されたから」 「…え?」 「親父さんに会いに行くんだろ?」 「うん…」 「オレの方は1時間位で終わると思うから、連絡くれ」 「うん…。あの…事務所の話って…どんな…?」 「ん?…さあ?…確認したい事があるらしい」 考え過ぎかもしれない。 でも何故か、不安で不安で…たまらない…。 やっと… やっと、藍との事…前向きに考えられるようになったのに…
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

455人が本棚に入れています
本棚に追加