455人が本棚に入れています
本棚に追加
「ケン…カ…?」
『そう。アイツにしては、珍しいんだよな。今まで、しょっちゅう絡まれてたけど、ケンカなんて、買った事ねぇのに。
アイツも、相手も、理由訊いても何も話さねぇんだよ』
「ぇ…と…ケ、ケガは?」
『ああ。それは、大丈夫。 相手が、一方的にヤられただけだから』
「ぁ……良かったぁ……」
相手の人には悪いけど、とりあえずは、安心した。
でも…
「…学校に…居辛くなってる?」
『まあ…クラスの連中は、気にしてねぇけど、学校の中には、完璧人間の紫津木藍を疎ましく思ってた連中も、居るからね』
モデルの紫津木藍が、普通の高校生に戻れてた唯一の場所なのに…
酷い。
何かオレに出来る事は、無いだろうか?
『だから、ちょとの時間でも会ってやれねぇかな?』
「……え?」
『そうすれば、ちっとは元気になると思うんだよね』
いや…ちょっと待て…
会えるのか…?
……無理だ。
今、このタイミングで会ったりしたら、書き込まれた内容が、本当という事になってしまう。
「ダメ…会えない。……会っちゃいけない…と思う」
『ぇ…ぁ…噂の事、気にしてんなら、オレらがフォローするから、大丈夫だよ』
違う…
「藍にも、みんなにも、これ以上迷惑かけられないから…ごめんね」
『な…っ、ちょ…っ』
オレは、強制的に通話を切った。
考えなきゃ。
オレに出来る事。
ん?あれ?モサ男って、高校生だった?
えっ?
いや…人の年齢は、わかりづらい。
安堂に、確認だ。
それから? オレに出来る事は?
オレにしか、出来ない事は?
オレだから、出来る事…
1つしか、思い浮かばない。
でも…それが可能なのかどうか。
実行するのは、オレだけど…
その前に、いろんな人の協力が必要になる。
迷惑もかけちゃうかも…
でも…これしか思い浮かばない。
最初のコメントを投稿しよう!