3. 好きだからこそ…

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「わかりました。それじゃ…座りましょ うか?」 一条さんに促されて、ソファに座った。 それから、オレは、藍が置かれてる状況、それに対してのオレの考え、そして、やろうとしている内容を伝えた。 「……彼は、アナタの事を良くわかってるようですね」 「…藍が、何?」 「いえ…それより、本当によろしいんですか? それを実行するとなると、アナタが……」 「うん……いいんだ。 藍の誤解が解ければ…それで」 一条さんは、じっとオレの顔を見た後、 「仕方ありませんね」 と、溜め息混じりに呟き、苦笑した。 「ありがとう」 「そんな事より、いつ実行するつもりですか?」 「早い方がいいから、明日かな」 「明日…ですか。それでは、急いで準備しないと…。 すみません。電話一本かけさせて下さい」 一条さんが、席を立とうとしたので、 「いいよ、ここで。 オレも、かけるし」 と、携帯を取り出しながら、座るように促した。 「はい。…すみません」 それでも、遠慮がちにジャージのポケットから携帯を取り出し、操作し始めた一条さん。 「オレだ。龍児だ。明日、1つ頼まれてくれねぇか?」 __ん? だ…誰? さっきまでと雰囲気が、全然違うんですけど?! ハッ……オレもかけなきゃ。 隣の内容も、気になりつつ、応援を頼めそうなあの人に、電話をかけた。
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