3. 好きだからこそ…

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翌日 AM 11:30 マンション前で待っていると、1台の車が目の前に止まり、運転席から 1人の男性が現れた。 「如月愛さん?」 「…はい!」 「時間無いから、とりあえず乗って」 急いで助手席に座り、シートベルトを締めると、彼は、ウインカーを点灯させ、速やかに発進させた。 「悪いね。仕事がたてこんじゃってて」 「いえ…」 「決して、怪しい人間じゃないから。何か、オレの事聞いてる?」 「…古い友人が、迎えに行くから_と、それだけです」 「ハァ…相変わらずなんだな。オレの名前は、須藤哲哉。仕事は、これでも公務員」 暗めの茶髪の事を言ってるのだろうか。 如何にも昔、ヤンチャしてました、という風貌だ。 「須藤さん。今日は、すみません。お仕事が、お忙しいのに」 「哲哉でいいよ。送迎ぐらい、なんて事無いし、本来なら、今日は、非番だったんだから」 軽く頭を下げてから、外の景色に目を移す。 これから、自分がやろうとしていることを考えると、緊張してくるし、本当に正しいのだろうか?と、不安にもなってくる。 「龍児から色々聞いてる」 「……え…っ?」 視線を哲哉さんに戻した。 「送迎だけじゃなくて、ボディーガードも頼まれたから、知っといた方がいいと思って、オレから訊いたんだ」 「……訊いた…て、何を…?」 自然と、膝の上の拳に力が入る。
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