3. 好きだからこそ…

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「あの…大河内さん…オレ…ずっと知りたかった事があって…」 「うん…何?」 「それは…その…」 ああ…いざ、その言葉を口にしようとすると、唇が震えてくる。 でも…今訊かなきゃ…知るチャンスは、もう訪れないかもしれない。 イヤ…知る術は、他にあるのかもしれないけど…オレに、その勇気が無いだけ。 「大丈夫だよ。言ってごらん?」 大河内さんは、震えるオレの手を握りしめて…安心させようとしてくれてる。 ごめんなさい。大河内さん。オレが訊きたい事は、もしかしたら、あなたが答えたくない事かもしれないのに… 「愛さん?」 でも…以前と変わらない、オレを呼ぶその優しい響きに背中を押され、迷いが消えた。 「大河内さん…」 「ん?」 「安堂は…」 安堂の名前を出しても、変わらずオレを包み込もうとしてくれてる優しい瞳に、最後の勇気を貰った。 「安堂は、お金を受け取ってたんですか?」 この質問に、驚いたのか、引いたのか、目を見開いたまま、固まってしまった。 「ぁ…あの…?」 「ぁ…ごめんね。その…安堂さんに訊いた事は、無かったの?」 「あるけど…オマエは、知る必要無いって…。オレの事…道具にしか思って無かったから…。」 「…そうですか。」 そう困ったように呟いてから、哲哉さんに視線を向けると、 哲哉さんは、何も聞いて無いとでも言うように、背中を向けてしまった。 それを確認すると、オレに視線を戻し、ゆっくりと口を開いた。
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