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「ところで、賢人さん。
今からどちらへ?」
「……病院だ」
お前知ってたんじゃないのか、と片目で睨まれ、
「いえいえ。
おじいさまが、私に気になる殿方が居るらしいと気がついて、興信所使って調べさせたりとかはしてないですよ」
と笑顔で言うと、
「怖えよっ、お前んちっ」
と言われた。
「ところで、窓際の席をお譲りいただいてありがとうございます。
代わりましょうか」
「小学生じゃないんだ。
そろそろ降りるぞ」
と駅への到着を知らせる電光掲示板を見ながら、賢人は言ってくる。
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