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小瑚奈は賢人とともに、ケーキをいただいて、少し七穂と佐登子と話をした。
佐登子は、とても上品で可愛らしく、小瑚奈は思わず、
「賢人さん、素敵なお母様ですね。
賢人さんに全然似ていませんっ」
と思ったままを言ってしまい、猫の子のように襟首をつままれる。
「帰れ」
いや、すみません。
顔はそっくりなんですけどね、なんとなく……。
そんな賢人を佐登子が見上げて、言ってきた。
「いいお嬢さんね、賢人。
大事にするのよ」
は? と賢人が見下ろすと、
「小瑚奈さんは、貴方のいいところをよくわかってくれる人だと思うわ」
と佐登子は微笑んで言う。
いやそんな。
貴方を三万円で買わせてくださいなどと、人身売買みたいなことを言った私なんぞに、そんな、もったいない、と小瑚奈は赤くなってうつむく。
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