あの人の心を買いました(?)

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   病院の外に出て、バスを待っている間、賢人が訊いてきた。 「お前、なんで、さっきの話、小声でしゃべった」  賢人を金で買ったという話のことだろう。  七穂は今、此処には居ないのに小声になって、小瑚奈は言った。 「お姉さんには聞かれたくなかったからです。  お姉さんも素敵な方ですが、なんとなく怖かったので、すみません」  中学のバスケ部のキャプテンに似てたからですかねえ、と言うと、 「お前、バスケ部だったのか?」 と賢人が驚いたように訊いてくる。  機敏さのかけらもないが、と。 「いいえ、天文部です」 「……意味がわからないが」  お前、そのキャプテンとなんの関係もねえじゃねえか、と言われた。
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