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「三万円ありますっ。
これで、私のものになってくださいっ」
……なにが現れた、という顔を賢人はしていた。
が、すぐに、
「お断りだ」
と言う。
「なんでですかっ?
貴方はお金のためなら、なんでもされるゲス野郎だって聞きましたよっ」
「誰がだ……」
と賢人は小瑚奈を見下ろして、言ってきた。
「っていうか、じゃあ、なんでそのゲス野郎が好きなんだ、お前は」
「貴方には、なにか信念のようなものを感じるからです。
お金のためなら、なんでもされるゲス野郎でいらっしゃるのは、きっと病気のお母さんでもいらっしゃるからに違いありません」
阿呆か、と言って、賢人はそのまま行こうとした。
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