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道の脇に、いつも見るうどん屋とかがあり、
「チェーン店見ると、安心しますね。
何処でも一緒だから」
と振り向きながら笑った小瑚奈は足を滑らせた。
おっと、と賢人が抱きとめてくれ、もっ、申し訳ございませんっ、と小瑚奈は飛んで逃げる。
そんな小瑚奈の慌てふためく様子を見ていた賢人が言ってきた、
「……そうだ。
三万の利子にキスしてやろうか」
ええっ? と叫んだ小瑚奈は目の前で急いで手を振る。
「けっ、結構ですっ」
「なんでだ?
してやろう」
「結構ですっ!」
賢人は、小瑚奈がそう言うのをわかっていて、面白がっているように見えた。
「じゃあ、来年は十万持ってこい。
もてあそんでやるから」
「結構です」
足早に前を歩きながら、小瑚奈は思っていた。
これは、来年もまた、お年玉持ってきて、阿呆なことを言ってもいいってことだろうかな? と。
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