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「貴方が本当に金さえ払えば、なんでもしてくださるゲス野郎なら、三万円で貴方の時間を買えないかな、と思っただけです」
と言うと、
「なんでだ?」
と胡散臭げに訊いてくる。
「いえ、ちょっと貴方とお話してみたかったんです。
でも、いつもお忙しそうなので、お金を払えば、立ち止まってお話ししていただけるかなと思いまして」
「……今、無償で立ち止まっているんだが」
賢人は、なにかもう一言でも毒づいてから行こうとしたようだったが。
ちょうど、彼のポケットでスマホが鳴り出した。
「お店からの呼び出しですかね?」
いや、と言いながら、賢人はスマホに出た。
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