公園で

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「余計なお世話かもしれないけれど・・・」 田代(たしろ)さんは本当に言いにくそうにそうおっしゃられると空いている方の手で首の後ろを軽く掻かれた。 「鍵は掛けた方がいいと思うな・・・。最近、空き巣とか多いみたいだから」 田代(たしろ)さんのそのお言葉に僕は『そうですよね・・・』とお答えして苦く微笑んでいた。 僕のその様子を見られて田代(たしろ)さんは『もしかして・・・』と呟かれた。 「もしかして・・・十時(ととき)さんが『鍵は掛けなくてもいい』っておっしゃられたのかな?」 田代(たしろ)さんのそのお言葉に僕は『ええ』とお答えして田代(たしろ)さんに『どうぞ』と中に入られるようにおすすめした。 僕のそのおすすめに田代(たしろ)さんは『ありがとう』とおっしゃられて十時(ととき)さんのお宅の中に入り『お邪魔します』と言葉を漏らされて苦い笑みを溢された。 「・・・十時(ととき)さんがそうおっしゃられるのなら・・・大丈夫なんだろうね」 田代(たしろ)さんのそのお言葉に僕は『はい!』とお答えして靴を脱いだ。
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