公園で

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チラリと目を向けたその先で田代(たしろ)さんは本当に幸せそうに微笑まれていた。 だから僕は本当に田代(たしろ)さんはそのお方のことが好きなんだなと感じた。 けれど・・・。 「え? 彼氏? ・・・え? 彼女じゃなくて・・・ですか?」 そうお訊ねせずにはいられなかった・・・。 だって・・・田代(たしろ)さんは男性だから・・・。 「・・・う・・・ん。・・・そう」 そう答えてくださった田代(たしろ)さんの表情からは先ほどまでの幸せなそうな微笑みが跡形もなく消えてしまっていた。 それに僕の心はズクリと痛んだ・・・。 僕はまた、余計なことを口にしてしまった・・・。 そう思うと僕の顔は自然と下を向いてしまっていた。 「けれど・・・好き・・・なんだ。そのひとと僕は同性だけれど・・・僕はそのひとのことが好き。誰よりも・・・何よりも・・・」 そうおっしゃられた田代(たしろ)さんのお声は小さかったけれど、強かった。
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