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僕は『現状から逃げる』ことを望んでその望みは叶って僕は今、ここに居る。
僕のその望みを叶えてくださったのが十時さんだ。
僕は十時さんと取り引きをした。
僕は『現状から逃げる』ことを望み、十時さんは僕のその望みを叶える代わりに僕の持っている『時間』が欲しいと言われた。
僕は言うなればタダ働きの使用人。
使用人はご主人様の命令には絶対に従わないといけない。
けれど、僕のご主人様である十時さんが僕に下されたご命令は今のところたったの二つだけ・・・。
その一つ目のご命令は毎日のお食事を三食、きちんと作ること。
そして、二つ目のご命令は業務用アイスクリームのバニラ味を切らさないこと。
この二つだけ。
僕はここに来る前にも学校には行っていなくて毎日、お食事を作ってお掃除をして過ごしていた。
だからお食事を作ることもお掃除をすることも全然苦痛じゃない。
ここに来る前の僕の生活は本当にたくさんのことが歪んでいた・・・。
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