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「今日は泊まってゆっくり寝ろ。明日まだ具合が悪いなら大学は休めよ」
そうやって優しくされると甘えたくなるからやめてほしい。
そんな気持ちを隠したくてうつむくと、緩やかに抱き寄せられた。
うわ、と思ったところで、キスされる。数秒だけ軽く触れてすぐ離れたのに、壊れたメトロノームみたいに心臓が早いリズムを刻んで苦しい。苦しいのに、嬉しい。嬉しいのに恥ずかしい。この変な循環はいつ平常運転に戻るのだろう。
日が経てば落ち着くと思っていたのに、どんどん八奈見のことが好きになる。余裕なんて出てこないし、気になることが増えていく。
自分がずっと普通じゃないままで、これからどうなっていくのかわからない、この不安。
どうすればなくなるというのだろう。
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