最終章 こたつには黒いコロ

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どんなに想っても恋人にはなれないのだから。 どんなに願っても、それは妄想でしかないのだから。 君はコロなのだから。 黒い柴犬のコロ。 「恋人では無いから、こうして、ずっと居られるんだよね。」 「くぅ~ん」 返事をするように鼻を鳴らすコロ。 「僕の恋人は一生コロかもしれないね。」 頭を撫でながら苦笑いした自分の声が部屋に響く。 コロといられて幸せだけど、一人と一匹で過ごす年末年始は寂しいよな。 こたつの暖かさは心まで温めてはくれなかった。
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