毎年のこと

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「譲にいちゃん、あたし、このお年玉で譲にいちゃん買いたい」 譲君ははあ?!と私を見たのを覚えてる。「何言ってんだ?! バカかコイツ」と顔に書いてあった。それでも渡したお年玉を貰ってくれて、その日はあたしとたくさん遊んでくれた。 譲君が中学生になったとき。 「あけましておめでとう。譲にいちゃん、今年もお年玉もらったの全部あげるから、私のものになって?」 「毎年のことだけど、それって、下僕になれってことなの?」 「違うよ! あたしをお嫁さんにして欲しいんだよ?」 譲君は飲みかけのお茶を吹いた。 「お、お嫁さん?!」 「そう。あたし、ずっと譲にいちゃんと一緒にいるの」 「お嫁さん……」 譲君は神妙な面持ちでお年玉をあたしから受け取った。
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