5人が本棚に入れています
本棚に追加
「譲にいちゃん、あたし、このお年玉で譲にいちゃん買いたい」
譲君ははあ?!と私を見たのを覚えてる。「何言ってんだ?! バカかコイツ」と顔に書いてあった。それでも渡したお年玉を貰ってくれて、その日はあたしとたくさん遊んでくれた。
譲君が中学生になったとき。
「あけましておめでとう。譲にいちゃん、今年もお年玉もらったの全部あげるから、私のものになって?」
「毎年のことだけど、それって、下僕になれってことなの?」
「違うよ! あたしをお嫁さんにして欲しいんだよ?」
譲君は飲みかけのお茶を吹いた。
「お、お嫁さん?!」
「そう。あたし、ずっと譲にいちゃんと一緒にいるの」
「お嫁さん……」
譲君は神妙な面持ちでお年玉をあたしから受け取った。
最初のコメントを投稿しよう!