温もりに包まれて

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初めてコタツに足を入れた冬から数えて何度目かの冬 今年は雪は少ないが気温は低い。 またもリビングにコタツが出てきた。 もう僕は珍しくもなくなったが この温もりは幾度入ってもたまらない。 僕はある日思いついてしまった。 コタツに足を入れても背中は寒い。 ならいっそ体全部すっぽり入ってしまえ! ずぼっと体を潜り込ませるともう抜け出せない。 極楽とはこの事だろう。すっかりこのポジションが気に入った僕はこの極上空間をパワーアップさせるために漫画やお菓子やゲームをかき集めコタツから頭と手だけ出して亀のように過ごした。 そんな怠惰な孫を見ておばぁちゃんがいつもより強い声で 「シャキッとしなさい!」 少し怒られた。なぜ怒るのか自分が独り占めしたからだろうか?全く口うるさい。 この日からおばぁちゃんが少し煩わしくなった。
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