母が残した絵本

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 泣きながらナノンが家へ続く小道を歩いていると、モンシロチョウさんとテントウムシさんが飛んできてナノンに話しかけた。 「ナノン。愛がないと妖精は生まれないんだ」 「そうだよ。ナノンは愛にあふれたこどもさ」  そう言われて涙のシャボンを白い雲の浮かぶ空に飛ばし、前を向いてモンシロチョウさんとテントウムシさんに微笑むナノン。 「でも、いつか街に行かなきゃいけないんだよ。この森に男の子はいないからね」 【妖精のこどもへの教え】 1.森を守るために妖精の子孫を残す。 2.精霊の心を持つ人間と恋をせよ。 3.妖精のこどもは愛でしか生まれない。
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