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幻想的な写真
店内のロビーの壁に飾ってある西島洋介が撮ったB3のパネル写真。森と湖の幻想的な風景で『JPS展銀賞』と記してある。
【タイトル・夢と冒険の地へ】
泉田がキーを叩く手を止め、パソコンの蓋を閉じてふと飾られた写真を眺めて微笑む。
そこへ慌てふためいた洋介が浮気写真を持って現れて前の席に座り、テーブルに並べて置くが恥ずかしくてすぐに裏返した。
「泉田さん。どういうことですか?」
「どうって?そのままだろ」
「僕の妻だと知ってて、プリントさせたんですよね」
「お互い仕事。どちらかといえば、親切心かな。普通だったら、情報としてお金貰うとこだぜ」
「いったいどうやって撮ったんですか?依頼者はこの寝取った男の奥さん?僕にはまだ信じられない。詳しく説明してくれ」
興奮して騒ぎ立てる洋介を理恵が受付からじーっ心配そうに覗き込み、それに気付いた洋介は声をひそめて泉田に頼み込んだ。
「場所変えませんか?」
「わかった。おごりね」
にっこりと微笑む泉田は理恵にも手を上げて安心させた。
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