こたつ争奪戦

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なんということだろう、四人とも仲良くこたつの中に入ってるではないか。 「ちっ」 「ねぇ、これ、温まってる?」と姉。 「時間がかかるんじゃないの?こういうのって?」と母親。 「ハイスペックなんだろ?すぐに温まるはずだろ?俺らがあんなことしてたんだから」と父親。 「ねぇ、これ付けるべきじゃないの?」と妹。 彼女の指先には黒いコンセントの先端がある。どうやら付けてなかったようだ。そりゃあ、温まらないだろうな。 「あら、遊ちゃん。付けてくれないかしら?そしたらお姉ちゃん、後で遊ちゃんを中に入れてあげようと思うんだけどね」 「姉ちゃん、こんなのこれでいいんだよ。やれよ、ポチ」 私は腕を鳴らす。 「死ぬ準備はいいか?」 私は妹に近寄ると、勢いよく何かに手が引き込まれる。 「ケンカは……めっ!!」 その言葉を発する姉の大きな胸に腕が挟まれる。いや、引き込まれた。私は呆然と立ってると他の三人に何をしでかされるのか分からないので妹からコンセントを奪い、それをコンセントの穴にはめる。 するとどうしたものか、こたつの方から機械音がする。そして天井近くまで足が高く伸び上がり、そこから一歩ずつ歩いては元の体勢になるではないか。そしてそのこたつは一言、「お前らに与えるものなどねぇ」と。     
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