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「術式を施した装具です。使い方には用心を。対マルチロイド用の調整をしてありますので、扱いが少々難しいです」
「そうか……」
対マルチロイド用の調整を施した装脚具……どれほどの出力になるのやら……。
「オーダーメイドしてやっただけありがたいと思え、クシビよ。これでお主の任務も捗ろう。ただし、使い所は間違えるでないぞ? 多用には少し負担が大きいからのう。勝負を決める一手を心得よ」
「……肝に銘じておく」
忠告に頷いておくクシビ。言われなくてもそうするつもりだったけどな。そんな武装を使い続けろと言う方がおかしい。
「やり合った時に銃が故障したかもしれない。こっちも何かしらの対抗策と改良を施しておいてくれ」クシビが銃を差し出す。
「わかりました。マテリアルOSと出力の調整を行っておきます」
シズネが銃を受け取ると、丁重にそれを懐にしまった。
大型の機装兵器であるマルチロイドに対抗して立ち回れる武装など、数が限られてくる。
野良の術士にそれが出回って来ている以上、こちらも何らかの対抗手段を用意しなくてはならない。
しかし、最新式のマルチロイドを改造してくるなど、予想を超える組織力の向上だ。こうなると、その背後が気になってくる。どこから流れているのやら……。
「さて、今回の仕事だが、成果はどうだったのだ?」
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