第二章

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 そんな事を言う情報屋の女。 「私の所に来なさい。私なら色々と手を計らってあげられるわ。このままだと、あなたずっと英装術士から逃げ続けなきゃならなに日々を送る事になるわよ」 「必要ない。俺にはやるべき事がある」 「そう……。勿体ないわね」  そう言い終えると、クシビはそのまま商店街を後にするのだった。  その後、クシビは都市部の一角へと赴く。周りは高層ビルや高い建物で覆われており、その下を移動車両が往復している。  それを上空から眺められるような高度位置にある移動ポートの一つを歩いていくクシビ。  都市部の機能を一望できるような高い位置にある。  ここは、何重ものセキュリティに守られている場所だ。英装術士兵団の監視範囲内でもある。  そして、そこからはこの都市を覆う巨大バリケードが見えてくる。  都市部全体を守護している巨大な城壁であり、この都市が長い年月での発展を支えてきた最大の防護壁でもある。  難攻不落の砦として、後世から伝えられてきた。  外の世界とを隔てる――本当の結界だ。 『パスポートを提示してください』  その境目にまで来ると、監視機械にそう指示されたので、クシビは持っていたパスポートを差し出す。     
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