第二章

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 指令室では、今回の調査結果と次の作戦会議が行われている。アヤメも報告書を読み、現状の内容を会議で聞いていた。  会議での報告が一通り終わると、英装術士隊は会議室を後にしていく。 「また外で、大規模な抗争があったらしい」  そんな言葉を英装術士達が話し合っている。アヤメも報告書に合った文書を読んでは懸念していた。最近、外の様子が騒がしくなってきている。大規模な抗争が外で起こっているようなのだ。 「アヤメ、会議お疲れ。また彼についての報告がいくつかあったわね」 「うう……今はその話はやめて」  頭を抱えそうになるアヤメ。こうして会議に出てくるというだけでも逃げ出したくなるのに……。 「でもまあ、今の所は目立った報告はなかったじゃない。最新のマルチロイドが流出している問題視されてばがりで、彼の議題はまるで上がらなかったわね」 「もう十分目立ち過ぎよ……変な情けは止めて」  そんなアヤメに苦笑を浮かべるしかないサナ。 「でも、変な話よね。彼ってば違法術士だけど、そんな慌ただしい事を起こさないし……。私の聞いた話だと、違法性の高い賞金稼ぎギルドがこぞってほしがっているって噂もあるわよ?」 「いやああ!……やめて。そんな不謹慎な事は聞きたくない……!」思わず顔を伏せるアヤメ。     
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