第二章

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 クシビの悪評がさらに高まっている気がしてならない。このままでは、本当にどうなるか……。  クシビの悪名が広がる度に、私はどれだけ恥ずかしい思いをしているか……。 「流石はアヤメの彼氏よねえ。やることにもスケールがあるわ」 「ちっとも面白くないわよ! 犯罪者なんて」  サナが笑みを浮かべている事に、アヤメは信じられない思いに駆られた。  日に日に悪名が高くなっている気がする……。  その後、アヤメはサナと別れると、会議の報告書を読みながら歩いていた。報告書に目を通していると、気になることがいくつか目に止まってくる。  この報告は――。 「………。」  アヤメは、それを見ると足早に場所を変える。  そして、指令長の姿が目に入ると、アヤメはすぐにその事を尋ねた。 「指令長、先ほどの会議の事で少し聞きたいことがあるのですが」 「どうした?」  アヤメの呼びかけに、指令長は立ち止まって振り返った。 「また工場区に異変種の魍魎が現れたようですが、本当に大丈夫なのでしょうか?」  そう尋ねるアヤメに、指令長が答える。 「あそこは正規の術士や警護術士隊が請け負っている。我々の手の及ぶ場所ではない」  そう言われてもアヤメは気にかかっていた。あそこにはリョクのギルドもいる。クシビと同じ、訓練術士生時代からの友人なのだ。     
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