第二章

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 あそこは、警護術士隊と傭兵術士に所属している人間が請け負っている。それでも魍魎の駆除には手を焼いているとの報告があった。それに、それを請け負っている術士のリョクは、クシビと同様に昔からの親友だ。  リョクのギルドなら信頼に値して任せていられるが、それでも危険なことに変わりはない。  住んでいる人達も怖い思いをしていると聞いている。  自分達の管理外の場所とは言え、放っておくのは、やはり心苦しいものがあった――。 「ちっ! そっちに回ったぞ! さっさと片付けちまえ!!」  薄暗い夜中、数名の術士達が叫んでいる。辺りには魔術の痕が手酷く残っており、激しい戦闘が起こっている事を思わせた。  辺りは、未だに騒然としており、魔術攻撃による戦闘が繰り返されていた。 「くらえよ! おらああ!」 「ぐああっ!」  強力な魔術による爆発が辺りを包み込む。数人の術士が巻き込まれ、吹き飛ばされた。  だが、それでも術士達は戦闘を止めず、さらに魔術による報復を行おうとしていた――。  しかし、そこへ声が響き渡る。 「この場は、すでに我々の制圧下にあります! すぐに武器を捨てて投降してください!」  辺りにいた術士達は一斉に振り返った。大勢の警護術士隊と、その先頭を率いているのは――。 「やばいぞ! 英装術士のサキノジ・アヤメだ……! 警護術士隊を率いて来やがった!!」     
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