第二章

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 慌てて逃げ場を確保しようとするが、すでに警護術士達が周りに展開していた。 「大人しくしてください! 抵抗は余計な被害を生むだけです!」  アヤメが指示を出すと、すぐに何人もの術士が拘束魔法によって捕縛される。 「ぐあっ!」 「うわああ!」  あっという間に捕縛されていく術士達。 「く、くそお……!」 「っ――!」  それでも逃げようとした術士がいたため、アヤメは魔力を込めて、円形の巨大な魔法陣を作り出した。  それが光り輝き、辺り一面に展開する。 「う、うわああああ!」  その叫びと同時に、逃げようとした術士は一瞬にして強力な魔力の光に包まれ――その意識を失った。 「お見事ねえ。手際もいいし。まさに英雄のような活躍ぶりね」  情報屋の女が、アヤメの捕縛に対して賛辞を送る。 「………。」  クシビと情報屋は、その様子を影から観察するようにして目を向けていた。英装術士に見つからないように物陰に潜んだまま息を殺している。  今しがた、ちょうど事件についての手掛かりを追っていた所だったのだ。 「よかったの? あの違法術士、あなたの獲物だったのに」 「別にかまいやしない……」  クシビは様子を観察しながら答える。獲物をおびき寄せただけの事だ。しかし、それよりも気がかりな事がある――。     
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